労働問題

【体験談】退職代行を使われた話~そのとき会社はどう思うのか~

2023年7月7日

*本記事にはプロモーションが含まれています。

退職したいけど言い出せなくて…退職代行を使ったら会社にどう思われますかね
後輩ちゃん
やっさん
最近は退職代行を利用する人が増えています。私が人事として対応した事例を紹介します。

退職代行は、本人の代わりに会社に退職の意思を伝えて、手続きをしてくれるサービスです。利用者が増えている一方で、

「退職代行を使ったら会社にどう思われるのだろう」
「本当にうまくいくのだろうか」

と迷っている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、私が退職代行を使われて、人事として対応したときのことをお話しします。

やっさん
実際に企業の人事担当として、退職代行を使われたときのことを赤裸々にお話しします。

こんな方におすすめ

  • 退職代行を使ったら会社がどう対応するのか知りたい
  • 退職代行を使ったら会社は迷惑なのか知りたい
  • おすすめの退職代行サービスを知りたい

執筆者

 

やっさん

  • 人事・労務歴14年
  • 一部上場企業やベンチャー企業など4社で勤務
  • 採用面接や給与計算、社会保険手続きなどを担当
  • FP2級、ビジネスキャリア検定(人事)3級

 

退職代行とは

クエスチョン

退職代行とは、本人に代わって会社に退職の意思を伝えて、必要な手続きをしてくれるサービスです。具体的には、次のようなことに対応してくれます。

  • 会社への退職連絡
  • 退職届など必要書類の手配(※記入は本人)
  • 有休消化の交渉
  • 未払い賃金の交渉
  • 貸与品の返却・私物回収の段取り

※業者によって、サービスの範囲は異なります。

本人が会社と話をしなくて済むように、連絡は全て業者が間に入ってくれます。書類は郵送やメールで、物品は宅配便でやりとりをするため、出社の必要もありません。

全てお任せできるなら、気まずい思いをしなくて済みますね!
後輩ちゃん

退職代行の利用状況

話にはよく聞く退職代行ですが、実際のところどれくらいの人が利用しているのでしょうか。ここでは、利用状況の実態について解説します。

以下は、日本労働調査組合が、全国の会社員533名(20~49歳)を対象に実施したアンケートの結果です。

調査結果グラフ①

「もし、あなたが今の会社を退職するとした場合に、退職代行を利用しようと思いますか」という質問には、21.9%の人が「利用する」、25.5%の人が「利用するかもしれない」と答えました。

調査結果グラフ②

また、「ご自身、同僚、あなたの知っている人が退職代行を利用していたことはありますか」という質問では、21.2%の人が「自分で利用したことがある」、16.3%の人が「同僚や知人で利用していたことがある」と答えています。

この調査は2021年9月に行われたものなので、現在ではより多くの人が利用して身近なサービスになっていることが予想されます。

引用:退職代行サービスに関するアンケート調査|日本労働調査組合

やっさん
実際、私の周りでも退職代行を利用した(された)話は何件か聞きます。そんなに珍しいことではなくなっている印象です。

退職代行が使われる理由

ここでは、退職代行が使われる理由として代表的なものを紹介します。

  • 今すぐに退職したい
  • 退職を言い出せない
  • 退職を申し出ているが、受け入れてもらえない
  • 嫌がらせや報復の恐れがある
  • 無断欠勤してしまい連絡しづらい

退職代行を使う理由は、人によってさまざまです。利用者の中には、人手不足でしつこく引き止められたり、「退職するなら損害賠償だ」と脅されたりして、苦しんでいた人もいるようです。

自分を守るために、退職という道を選ばなきゃいけないときもありますよね
後輩ちゃん

【体験談】退職代行を使われたときの会社側の対応

事例

ここからは、私が企業で人事をしていたときに、従業員に退職代行を使われたときの話を紹介します。

※個人情報に関わる部分のみ、一部改変しています。

入社2年目、真面目なAくん

私が不動産会社で人事として勤務していたときのお話です。その会社は、全国に複数の支店があり、数百名の従業員が在籍していました。

四国支店のAくん(28歳)は、入社2年目の営業職です。私は直接会ったことはありませんが、電話で話す限りごく普通の青年でした。人事評価や勤務態度にも問題がなく、良くも悪くも目立たない社員です。

一方で、その年に四国支店の支店長に就任した社員(つまりAくんの上司)については、良くない噂が耳に入っていました。体育会系で豪快なタイプの男性なのですが、部下への指導も厳しいという評判でした。

やっさん
今思えば、本人はこの頃から退職を考えていたんでしょうね…

ある日、一本の電話が入った

そんなある日、本社宛に一本の電話が入りました。

「退職代行サービスのグッバイ(仮称)と申します。四国支店のAさまから、退職代行のご依頼を受けてお電話しました。つきましては、御社の退職に必要な手続きを教えてください。なお、今後のやりとりは我々が仲介いたしますので、Aさま本人へのご連絡はお控えください」

といった内容でした。

もちろんAくんから退職の話は聞いておらず、今日も四国支店で勤務しているものだと思っていました。慌てて四国支店に連絡すると、今日はAくんが無断欠勤しているとのこと。四国支店でも退職の話は出ておらず、ここ数日で何かトラブルがあった訳でもないそうです。

ただ、いろいろと確認を進める中で、本人が退職代行を依頼したことで間違いない、という結論に至りました。

やっさん
余談ですが、退職代行はちょっと変わった名前の業者が多いです。私の会社でも「それにしても “グッバイ(仮称)”ってすごい名前だね…」と話題になりました。

無事に退職手続きが完了した

退職代行業者からの突然の電話により、社内はバタバタです。支店への事実確認、引継ぎ対応、経営陣への報告をしました。経営陣からは「Aくんは何か不満があって訴訟を起こそうとしているのではないか?」という意見も出ました。

そのため顧問社労士に相談したところ「退職代行は最近増えています。現時点で退職以外に要求が無いのであれば、通常通り手続きすれば問題ありません。」とのことでした。

そこで、代行業者に依頼された通り、退職手続きに必要な書類をAくんの自宅に郵送しました。また、Aくんのデスクには私物が残っていたため代行業者に確認したところ「Aさまは着払いで自宅に送ってほしいそうです」とのことだったので、宅配便で送りました。

そして数日後、Aくんから書類や貸与品が会社に届き、無事に退職手続きが終了したのでした。

やっさん
「退職代行」と聞いて最初は社内がざわつきましたが、あとは事務的に淡々と手続きが進みました。

人事の本音

がっかり

ここでは、私が人事担当として退職代行に対応した際の本音をお話ししたいと思います。私自身、10年以上いろいろな会社で人事の仕事をしてきて、大企業にもいたので退職者の対応は数えきれないほど経験しました。

突然来なくなって連絡がつかない社員や、会社を裏切るような辞め方の社員などの経験も踏まえて、退職代行で感じたことは次の3つでした。

  • ショック
  • 心配
  • 手続きの面では助かる
やっさん
以下で詳しく解説します

ショック

一番大きかったのは、「ショック」という感情です。おそらく私だけでなく、Aくんの上司や同僚、経営陣も同じだったと思います。

本来なら、悩みや困っていることは早い段階で直接相談してもらえるのが理想の関係です。それが、退職も言い出せないほど信頼関係が壊れていたのだなと思うと、残念な気持ちになりました。

仮に支店長との関係が悪くても、同僚や営業部長、人事など、いくつか相談先はあったはずです。勤務態度に問題が無かったため、誰もフォローできなかったのだという反省が残りました。

やっさん
私が関わった範囲では「非常識だ!」と怒っている人はいませんでした。みんなションボリ…という感じです。

心配

Aくんは突然出社しなくなったため、いまどのような状態なのかが分からず心配でした。健康状態は大丈夫なのだろうか、(もはや余計なお世話ですが)急に退職してしまって収入は大丈夫なのだろうか、などです。

また、人事という立場上、会社側のリスクも心配でした。私たちが知らないところで大きなトラブルが起きていたら、訴訟問題になるかもしれない労基署に通報されるかもしれない、といった心配です。実際にそのようなことはありませんでした。

やっさん
当時は退職代行サービスができてすぐだったので、実態もよく分からなかったんですよね

手続きの面では助かる

退職代行を使われたことにより、手続きの面では助かったというのが本音です。

退職者が出た場合、人事は社会保険や雇用保険の喪失、住民税、退職金、各種アカウントの停止など、さまざまな手続きをします。的な手続きには、退職日を確定させたり、本人署名をもらったりすることも必要です。

まれに無断欠勤で連絡がつかなくなる社員がいますが、その場合は連絡がつくまであの手この手で追いかけなければならず、本当に苦労します。それに比べれば、退職代行業者はすべて間に入って対応してくれるため、スムーズに手続きが進むので助かりました。

無断で辞めた人にも、絶対に連絡をつけなきゃいけないものなんですね…
後輩ちゃん

【結論】バックレるより退職代行の方が良い

この記事を読んでいる方の中には、退職代行の利用を検討している方もいると思います。もちろん、本来なら自分で直接退職を申し出て、円満に退職できるのがベストです。

ただ、さまざまな事情でそれができない場合は、突然欠勤してそのまま連絡を絶つぐらいなら、退職代行を利用してほしいと思います。いわゆる「バックレ」た場合も、社会保険など公的な手続きを取るために、最終的には会社と連絡を取らざるを得ないからです。

たとえ会社の連絡を無視したり着信拒否したりしても、緊急連絡先(実家や家族など)への連絡や内容証明郵便など、さまざまな手段で対応を求められることは知っておいてください。

退職代行でさっさと決着をつけた方が、気持ちよく次に行けそうですね
後輩ちゃん

おすすめの退職代行サービス3選

星5つ

ここからは、おすすめの退職代行サービスを3つ紹介します。3社ともLINEで無料相談が可能なので、検討中の方はぜひ相談してみてください。

  • わたしNEXT
  • 即ヤメ
  • 辞めるんです
サービス名 わたしNEXT 即ヤメ 辞めるんです
公式サイト
特徴 女性専門
口コミサイトNo.1
労働組合が運営
後払い制
実績10,000件以上
後払い制
料金 正社員・契約社員など:29,800円
パート・アルバイト(社保未加入):19,800円
28,000円
※キャンペーン中はさらに4,000円オフ
27,000円

すべて税込料金(2023年7月現在)

やっさん
それぞれ特徴があるので、自分に合ったところを使いましょう

わたしNEXT

わたしNEXTは女性向けの退職代行サービスです。日経新聞や朝日新聞、女性向け情報雑誌など多くのメディアで取り上げられています。

女性専門なので、スタッフも優しく丁寧に対応してくれるのが特徴です。実際に利用した人からは「安心して任せられた」「上司が怖くて言い出せなかったけど、依頼した翌日には連絡してくれて、ストレスから解放された」といった声が寄せられています。

また、わたしNEXTは転職をサポートしてくれるのも魅力の1つです。複数のエージェントと提携しているので、スムーズに転職活動に移行できます。

公式ページの体験談にめちゃくちゃ共感しました…
後輩ちゃん

即ヤメ

即ヤメは、対応の速さが魅力の退職代行サービスです。24時間スピード対応で、なんと最短10分で会社に連絡を入れてくれます。もちろん、その後も本人が会社とやりとりをする必要はなく、全て即ヤメが代行してくれます。

また、料金の支払いが後払い制(※ただし審査あり)であることも嬉しいポイントです。最近は退職代行業者の増加に伴い、料金を前払いしたのにきちんと対応しない悪徳業者もあらわれています。その点、即ヤメなら退職日の受理後1ヶ月以内の支払いと、2ヶ月間のアフターサポートまでついているので安心です。

2ヶ月間のアフターサポートは心強いですね
後輩ちゃん

辞めるんです

辞めるんですは、北海道から沖縄まで全国の依頼に対応している退職代行サービスです。これまでに10,000件以上の実績があります。

辞めるんですの特徴は「退職代行を拒否する会社の対応」も可能な点です。労働組合と提携していない代行業者の場合は「交渉権」がないため、会社に話し合いを拒否されてしまうとそれ以上の交渉ができません。その点、辞めるんですは交渉権を保持しているため、万が一会社が話し合いを拒否しても対応してもらえます。

料金について、審査不要で後払い制になっているのもメリットです。

会社側がすんなり受け入れてくれない可能性があるときは、辞めるんですがよさそうですね
後輩ちゃん

退職が難しいときは退職代行を利用しよう

女性_両手を広げる

退職代行は、上司が怖くて退職を言い出せない人や、引き止められて話が進まない人にとってはとても便利なサービスです。「退職代行を使ったら会社にどう思われるだろう」と心配な方もいるかもしれませんが、第三者が間に入ることで、意外と事務的に話が進みます。

無断で辞めて連絡がつかなくなるぐらいなら、退職代行を使って早いうちに決着をつけた方が、よっぽどお互いのためになります。退職代行業者は無料相談も受け付けているので、悩んでいる人はぜひ相談してみてください。

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