社会人にはビジネスマナーが必要と言われますが、よく分からないし面倒くさいと感じる人もいるのではないでしょうか。
ビジネスマナーは細かい決まりごとが多く、なかなか教えてもらう機会もありません。
でも、ちょっとしたマナーを知っておくだけで、職場での評価が急上昇して自分が得をします。
この記事では、社内で上司や先輩に対して使えるビジネスマナーを解説しますので、ぜひ実践してみてください。
こんな方におすすめ
- ビジネスマナーがよく分からなくて、自信がない人
- 職場で「自分が大事にされていない」「他の人が”ひいき”されている」と感じている人
執筆者
やっさん
- 人事・労務歴14年
- 一部上場企業やベンチャー企業など4社で勤務
- 採用面接や給与計算、社会保険手続きなどを担当
- FP2級、ビジネスキャリア検定(人事)3級
社内で使うビジネスマナーとは
ビジネスマナーの中でも、お客様など外部の人に対するマナーは、新人研修で教えてもらうことが多いです。
例えば、挨拶やお辞儀の仕方、電話の取り方、名刺交換などがあります。
一方で、社内の上司や先輩に対するマナーについては研修がなく、知らずに失敗してしまうことも多いものです。
上司や先輩は身近な相手だからこそ、マナーを守って良い関係を築くと、自分にも大きなメリットがあります。
【結論】ビジネスマナーを身に付けると自分も大事に扱ってもらえる
ビジネスマナーは何のためにあるかと言うと、お互いに気持ちよく働くためです。
敬語が使えれば十分じゃないか?と思うかもしれませんが、私の経験上、気遣いはすればするほど、自分自身も快適に働けるようになります。
ここでは、私の経験談をまじえてビジネスマナーの効果を解説します。
事例①デキる先輩
私がビジネスマナーを意識するようになったのは、ある先輩がきっかけです。
20代で転職した会社には、1つ年上の女性社員がいました。
美人で仕事もできるので、明らかにみんなから“ちやほや”されている人でした。
私は毎日一緒に仕事をする中で、先輩が“ちやほや”されているのは外見のせいではなく、相手への気遣いが素晴らしいからだと気付いたのです。
例えば、朝礼で年配の役員が長時間立っているのに気づき、黙ってさっと椅子を持って来てあげたことがありました。
またある会議の準備では「この上司はタブレットが嫌いだから、資料を紙で印刷してあげよう」と個別で準備していたこともあります。
こうして相手のことを考えて行動した結果、周りも先輩に優しくなっているのだと分かりました。
事例②私もマネしてみたら評価が爆上がりした
先輩の気遣いや女子力にすっかり影響を受けた私は、意識して先輩の良いところをマネすることにしました。
それから月日が経ったある日のこと、ある役員がふとこんなことを言ってくれました。
「やっさんは、いつもちゃんと俺のタイミングを見て声をかけてくれるよね。
みんな、俺の状況にお構いなしで自分の用件を話し始めるんだよ。
顔を見るなり「ハンコ下さい」ばっかりで、嫌になっちゃうよ…。やっさんはどうして空気読めるの?」
この言葉を聞いたときに「私も先輩みたいにできているんだ!」と気遣いの力を確信しました。
相手を丁寧に扱うと、自分も丁寧に扱ってもらえる
このような経験から、相手のことを丁寧に扱うと自分も丁寧に扱ってもらえるということが分かりました。
ビジネスマナーは「私はあなたのことを大切に思っていますよ」という気持ちの表現です。
マナーを守ることで、自分自身も大事に扱ってもらえるという効果があります。
社内で使えるビジネスマナー5選
ここからは、社内で使えるビジネスマナーの具体例を5つご紹介します。
オフィスワークに限らず、接客業や専門職など、どんな職場でも使えるのでぜひ参考にしてください。
- 「お時間よろしいでしょうか」と聞くとき
- 席で話をするとき
- 報告や相談をするとき
- 書類や現金を渡すとき
- 階段やエレベーターで移動するとき
「お時間よろしいでしょうか」と聞くとき
目上の人に話しかけるときは、いきなり本題に入るのではなく「いまお時間よろしいでしょうか」と確認します。
…と、ここまではできている人も多いはずです。
でも、本当の意味で気遣いをするなら、相手がいま何をしていて、どれぐらい忙しいかも見極めなければなりません。
「あと3分で会議が始まる」「さっき社長に叱られてイライラしている」というタイミングだと、上司も人間なので不快に思うはずです。
気持ちよく話を聞いてもらうためにも、声をかける前に相手の状況を一度想像してみましょう。
席で話をするとき
職場では、上司の席に相談に行ったり、上司が自分の席まで来たりすることがあります。
このときの姿勢も、少し意識してみましょう。
例えば、席に座っている上司や先輩に話かけるときは、自分もしゃがんで同じ目線にします。
こうすると、至近距離で目上の人を見下ろすような位置関係になりません。
また、目上の人が自分の席にやってきて話し始めたら、自分も立ち上がって話を聞きましょう。
座ったまま、ふんぞり返って「話を聞いてやっている」感じになるのを防げます。
報告や相談をするとき
職場で物事を円滑に進めるためには、報告や相談をする相手の順番も重要です。
例えば課長と部長がいて、クレームの報告をする場合で考えてみましょう。
本来は、【あなた→課長→部長】の順で報告するのが正しいルートです。
課長はあなたの仕事を管理する立場なので、トラブルを知る義務がありますし、良い解決策を持っているかもしれません。
ところがここで、あなたが先に部長へ報告してしまうとどうなるでしょうか。
部長は「俺に解決しろってこと?課長は対応しないの?」と感じてしまいます。
下手をすれば、何も知らない課長は部長から叱られるかもしれません。
話しやすさではなく、組織内での順位や立場を考えて振舞うことが大切です。
書類や現金を渡すとき
目上の人に書類や現金を渡す際には、紙一枚の“ハダカ”で渡さないようにしましょう。
書類ならクリアファイル、現金なら封筒に入れて渡すのが礼儀です。
また、できれば黙ってデスクに置いておくよりも、「ご確認よろしくお願いします」と直接手渡した方が印象は良くなります。
階段やエレベーターで移動するとき
目上の人と階段やエレベーターを使うときにも、いくつかポイントがあります。
まず、階段を一緒に移動するときは、「昇るときは自分が後ろ、降りるときは自分が前」を歩きましょう。
混乱しそうですが、「常に自分が下側」と覚えれば簡単です。
また、エレベーターで一緒に移動するときは、「乗るときは自分が先、降りるときは自分が後」にしましょう。
これも「自分がボタンの操作係をする」と覚えれば難しくありません。
さらに、エレベーターを待っているときに上司とお客様などが来たときは、自分は一緒に乗らず「お先のどうぞ」と言って一本見送るとスマートです。
【まとめ】社内でもビジネスマナーを意識してみよう
ビジネスマナーは面倒で意味がないようにも見えますが、実は1つ1つが「あなたのことを尊重していますよ」というメッセージになっています。
お客様など外部の人に対してはもちろんのこと、社内の上司や先輩に対してもマナーを意識すると、必ずあなたの評価が上がります。
職場で「自分が大事にされていない」「他の人ばかり“ひいき”されている」と感じている人は、騙されたと思ってぜひ取り入れてみてください。