社会人なら誰しも、上司や先輩から厳しく叱られたり、プレッシャーをかけられたりした経験があると思います。
それが理不尽な内容だったり、エスカレートしたりすると「これってパワハラじゃないの?」という疑問がわいてきますよね。
もし本当にパワハラであれば許されない行為ですが、そもそもパワハラとは具体的にどんな行為のことを指すのでしょうか。
この記事では、不当な行為に立ち向かうための第一歩として、パワハラの定義やその種類について解説します。
パワハラの対処法について知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
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参考パワハラにあったらどうする?対処法と相談する際の注意点
パワハラにあってしまったら、対処法は基本的に「逃げる」か「闘う」の二択です。結論としては「逃げる」がおすすめですが、「闘う」際には戦略も必要です。この記事ではパワハラの対処法について詳しく解説します。
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こんな方におすすめ
- どこからがパワハラなのかを知りたい方
- パワハラの種類を知りたい方
今すぐ退職したいなら…
執筆者
やっさん
- 人事・労務歴14年
- 一部上場企業やベンチャー企業など4社で勤務
- 採用面接や給与計算、社会保険手続きなどを担当
- FP2級、ビジネスキャリア検定(人事)3級
パワハラの定義
パワハラとは、パワーハラスメントの略です。
労働施策総合推進法によると、職場におけるパワハラは次の1~3をすべて満たすものと定義されています。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
- 労働者の就業環境が害される
それぞれについて、詳しく見ていきます。
優越的な関係を背景とした言動
上司や先輩など立場が上の者による言動かどうかです。
(一部、同僚や部下からの言動でもパワハラになるケースもあります)
業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
仕事上の指導として、本当にそこまでする必要があるかどうかです。
労働者の就業環境が害される
肉体的・精神的な苦痛を与えられ、職場で不快な思いをして仕事で能力を発揮できないほどの支障があるかどうかです。
ただし、打たれ強さには個人差もあるため、本人の主観だけでなく「平均的な人なら誰でもダメージを受けるほどのことかどうか」という基準で判断されます。
パワハラの種類
引用元:あかるい職場応援団(厚生労働省)
パワハラの典型的な例は次の6つに分類されます。
身体的な攻撃
・殴打、足蹴りを行う
・相手に物を投げつける
精神的な攻撃
・人格を否定する言動を行う
・必要以上に長い時間、厳しい叱責を繰り返す
・他の労働者の前で、大声で威圧的な叱責を繰り返す
・相手の能力を否定し罵倒する内容のメールなどを、複数の労働者宛に送信する
人間関係からの切り離し
・自分の意に沿わない労働者を仕事から外し、長期間にわたり別室に隔離したり、自宅研修させたりする
・一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させる
過大な要求
・長期間にわたり、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での、勤務に直接関係のない作業を命じる
・新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの目標を課し、達成できなかったことを厳しく叱責する
・業務とは関係のない私的な雑用処理を強制的に行わせる
過小な要求
・管理職である労働者を退職させるため、誰でも遂行可能な業務を行わせる
・気に入らない労働者に対し、嫌がらせのために仕事を与えない
個の侵害
・労働者を職場外でも継続的に監視したり、私物の写真撮影をしたりする
・労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療などのデリケートな個人情報について、本人の了解を得ずに他の労働者に暴露する
まとめ
誰でも叱られることは嫌ですが「嫌な思い=パワハラ」とすべて結び付けてしまうと、仕事上で本当に必要な指導も受けられなくなってしまいます。
もしご自身や身近な方が「これはパワハラかな?」と思う出来事に遭遇したときは、上記に当てはまるかどうか冷静に分析してみてください。
そして残念ながらパワハラに該当する場合には、相談窓口を利用するなどしかるべき措置をとりましょう。
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